介護職のための最終章ケア (1)負のスパイラル

介護職のための最終章ケアについて

(1)負のスパイラル

 

介護福祉士—看護師—医師間の連携という負の“連鎖”がある。

 介護福祉士は一人夜勤の時、いつ看護師に連絡していいのかそのタイミングがわからないという。看護師もまた、いつ医師に連絡していいのかそのタイミングがわからないという。真面目な方の多い医療介護職の方によく見られる、相手に対して申し訳ない、責任を果たせないという理由もわかる。

 一方で怒られるのが怖いというものが少なからずある。

「こんな状態でなんで連絡してきたの?もっと悪くなってから連絡して」

「どうしてこんな状態になるまで放っておいたの、もっと早く連絡して」

 どうして、何で、勘弁してよ・・・、そんな言葉に皆がビクビクしている。介護士は看護師に、看護師は医師に怒られることを恐れて怯える。そこに組織の上司が出てきて、延々とお説教を言い出すともう立ち直れない。

 何でも偉そうに言っているように見えるその医師もまた、急性期病院に患者さんを搬送するとき、搬送先の医師から、「一体何が目的ですか?」「心肺蘇生(DNAR)はしなくていいのですね」など厳しく指摘され落ち込むかムッとする。そして入院先の医師も「何でこんな人を入院させたんだ「退院先は決まっているのか」など病院側からは早く出すようにと圧力がかかる。

 こうして、多職種が負のスパイラルに巻き込まれていく。

 責任を逃れたい不安が蔓延しているとしたらそれは断ち切らなくてはならない。

(佐藤)

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