「ここで地震が起きたら、どうなる。みんな運び出せるかしら?」。スタッフルームの話題もいつしかそんな会話になる。それにしても、とんでもない災害が起きてしまったものだ。死者・行方不明が3万人に達しようとしている。そして、避難所で亡くなる高齢者も数えきれない。地震、津波、原発の放射能漏れ。果たして、この砺波で予想される災害は何か。
まず地震だけど、ここだけは安全ということはないからね。でも「ものがたりの郷」は新築したばかりで耐震構造は万全と聞いているし、火災は最新のスプリンクラーが設置されているから、大事にはいたらないという話よ。それよりも、庄川堤防決壊による洪水の可能性が高いのでは。津波みたいにはならないけど、鉄砲水ということはあるよ。とにかくもの凄い勢いでくるらしい。
ところで誰が一番頼りになるかね。口だけの副理事長はダメね、電話しても二日酔いで出て行けない、ということも考えられるしね。
「私達に出きることは、きょうの仕事を頑張ることしかないのよね」。それが結論か、もらったケーキがあるから、それを食べてからにしない。
「このダラども!この有事に何のんびりしている。東北のことを考えてみろ!」(副理事長)。