つるかめ診療所

 どんな想像をしますか。鶴は千年、亀は万年。不老長寿を約束する診療所か。さしずめ先生はひげをはやしたおじいさんか。ということになるが、何と鶴岡優子さんという43歳の女医さんである。栃木県下野(しもつけ)市で開業している。それも夫婦だけで、訪問診療が中心である。ということは旦那さんも医者で、ふたりとも1967年12月5日の同年同月同日生まれ、そして順天堂大学も同じという不思議な結びつきなのだ。子供3人がいて、育児もしながらの騒々しい診療所で、絵本の「カラスのパンやさん」をつい思い出してしまったが、もちろん夫唱婦随ではなく、婦唱夫随だというのは一目瞭然であろう。
 その鶴岡女医が一泊二日で、ものがたり診療所にやってきた。つるかめ診療所のテーマは「プライマリーケアと代替医療」。簡単にいうと、正解がひとつという西洋医学だけではなく、人間をまること見て、時に鍼灸や、サプリメントも活用しようというもの。それを栃木は下野の地で、在宅を中心とした地域医療で実践できないか、ということで、何かヒントを掴みたいという目的である。
 太田、庄東の両診療所、ケアポート庄川も訪ね、荒川先生にもあいさつ。そこでは「私、順天堂大学山岳部なんです」とふたりは旧知の如く話題を弾ませることになった。また、白衣を着て、佐藤理事長の訪問診療にも同行。翌朝には朝の会議にも参加。精力的に出張をこなしてのものだったが、今後どう展開していくか、興味津々である。
全国に志を同じくする医師達がこうして誕生していることは心強い限りだ。