インフルエンザ予防接種

 「こんな近くで、待たずにできるちゃ、ありがたいことやちゃ」。おばちゃんのこんな一言で色々な苦労が吹き飛んだ。

 11月27日の日曜日。東般若農村振興会館で住民対象のインフルエンザ予防接種を行なった。午前9時~正午まで、事前に予約を取ってもらった57名が対象である。2歳から89歳までの地域の人が駆けつけてくる。初めての試みで、ものがたり診療所庄東に予約された人を含めると150人を超える。

 東般若の人たちの診療所に対する熱い思いを感じる。こうした思いに佐藤・八木両医師が休日返上で対応し、加えてスタッフ5人が、受付、予診表記入、体温測定、接種済証発行、領収書手渡しなどの流れ作業に取り組んだ。

 高齢者用の接種券を忘れた人、財布を忘れて知り合いに立て替えてもらった人、娘さんに車椅子を押してもらってきた人、左手で予診表を記入する中学生、と色々な人がやってきたが、うれしい半日であった。

 この振興会館は、昭和12年創立の東般若小学校の跡地に建っていて、和室に襖を見上げれば、松村謙三元農相が揮毫した「克学克遊」(よく学べ よく遊べ)の額が掲げられている。そんな歴史の積み重ねで地域が成り立っているのである。(K)