整形外科医のつぶやき

 砺波総合病院の整形外科部長・山田泰士(ひろし)さんが講師である。話し振りは人格そのもので、リズムがあって、おもしろい。福井出身の材木問屋の跡取り息子が整形外科医に転じた。大腿骨頸部骨折が専門で、102歳のおばあさんの手術もこなしている。「先生、畑の仕事できるけ」と聞く患者がほとんど。会話の楽しさから、「先生、また顔見に来っちゃ」といわれるが、一番嬉しい時という。

 整形外科ではロコモティブ・シンドロームといって、ひとりで歩けなくなるかもしれない症候群をいう。メタボほど普及していないのが悔しそうだ。予防にロコトレと称する開眼片脚立ち、スクワットを推奨している。これに食事でカルシウムの補給、適度の日光浴を加え、骨を強くして転ばないことが予防の秘訣。毎日骨骨(コツコツ)がんばることだ。信条は病気があるからといって、不健康でない。病気ではないが、不健康な人はいっぱいいる。元気がないのが最も不健康。健康とは病気と元気の素敵な関係といい切る。

 そして、こんな大胆なことも。病院内で歩いていて骨折する患者さんがいる。裁判では病院側の敗訴が多い。だからといって、ベッドに抑制をしていて、骨折を防ぐというのはほんとうに患者さんのことを考えているのだろうか。病院のことだけを考えているに過ぎないのでは、と疑問に思っている。ひとりで歩ける幸せは何者にも代えがたいはずだ。

 また、総合病院の忙しさにもかなりまいっている様子で、「後医は名医である」と断言する。骨折かどうかの判断はかなり難しい。だからといって、診断を下さざるを得ない。次の医者は当然、別のことを疑う。先に診た方が誤診となる。しかし高齢の患者が手術を嫌がって、多少痛いが自分の足で動いているのを見ると、手術だけが万能ではないと思う時もある、と実に率直な整形外科医である。医者の見分け方だが、コミュニケション力が決め手かなと思うようになってきた。


 ここで講演会の案内です。10月3日(水)午後7時から、砺波市文化会館小ホールで、「在宅ケアのルネッサンス」と題してオランダの先進的なケアを紹介します。これからはこの方式が主流になっていきます。どなたでも参加できます。ぜひ、おいでください。(K)

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